14年以上、地域連携営業を続けて分かったこと
事業者が増え、違いが見えにくくなった
介護・福祉・訪問医療の地域連携営業に14年以上関わる中で、まず大きく変わったと感じるのは事業者の数です。クライアントにとっては、競合する事業者が増えたということでもあります。
制度も変わり、昔にはなかったタイプの事業所やサービスも増えました。その結果、「何がどう違うのか」を伝えることが以前より難しくなっています。
それでも変わらないのは、口コミと狭いコミュニティ
一方で、変わらないものもあります。介護・福祉・医療は、今でも口コミの影響が強い業界です。
ケアマネジャー、相談支援専門員、MSWなど、比較的狭い地域コミュニティの中で、「あそこは対応が良かった」「こういうケースに強い」といった情報が人から人へ伝わります。デジタル化が進んでも、このアナログな情報流通は大きく変わっていません。
これから必要なのはHIT
私は、これからの地域連携営業に必要なのは、デジタルなITだけではないと考えています。MotherとTHRIVEでは、これをHIT(Human Information Transfer)と呼びます。
HITとは、人と人との対話、口コミ、現場で得られる情報、関係性を通じて、必要な情報を集め、必要な相手へ届け、地域の中で循環させることです。
人だから拾える情報がある
ケアマネジャーを訪問していると、「最近こういう相談が増えている」「この地域では、こういうサービスが足りない」「こういう利用者さんを受けてくれるところがない」といった話が出ることがあります。
こうした情報は、検索データや統計だけでは拾えません。人が訪問し、会話をし、関係ができたからこそ出てくる情報です。その情報をクライアントへ持ち帰り、サービス改善につなげ、改善した情報を地域へもう一度届ける。この循環が地域連携営業の価値だと思っています。
IT × HIT
私はITを否定しているわけではありません。訪問履歴を記録する、情報を共有する、分析する、営業活動を可視化する。こうした部分はITが得意です。
一方で、情報を拾う、相手の気持ちを感じる、関係をつくる、地域の空気を理解する。こうした部分は人が担います。
デジタルで記録・分析し、人が地域の情報を拾い、理解し、伝え、循環させる。私は、これからの地域連携営業は「IT × HIT」になっていくと考えています。
介護・福祉・在宅医療の営業現場で見て、聞いて、考えてきたことを記録するシリーズです。現場で得た一次情報と経験をもとに、地域連携や営業の本質を考えます。