ケアマネ営業で一番大切なのは、訪問件数ではない
毎月訪問しているのに、稼働率が上がらなかった
以前、Motherであるグループホームの地域連携営業を支援していたときのことです。毎月、地域のケアマネジャーなどを訪問していました。それでも、なかなか施設の稼働率が上がりませんでした。
そこで施設側の状況を詳しく確認すると、問題は外回りではありませんでした。問い合わせが入った後の対応が、十分にできていなかったのです。
家族が施設へ問い合わせをしたり、見学に来たりするまでには、本人の状態、家族の不安、ケアマネジャーとの相談、家庭内の調整など、いくつもの背景があります。そこを理解せず、単なる「問い合わせの一本」として対応してしまえば、せっかく地域連携営業で生まれた接点も失われます。
そこで施設内部で研修を行い、「家族はどんな気持ちで電話をしているのか」「どんな調整を経て見学まで来ているのか」を理解したうえで対応するようにしました。その後、施設は満室になりました。
営業とは、情報を届けるだけではない
別のデイサービスを支援した際には、地域のケアマネジャーを訪問する中で、その地域で求められているニーズを聞き取りました。
その内容をクライアントへ持ち帰り、「このニーズに対応できないでしょうか」と相談しました。対応可能になった時点で、その内容を新たにチラシへまとめ、地域へもう一度伝えました。その結果、稼働率が上がりました。
営業は、自社の情報を外へ出すだけではありません。地域の声を持ち帰り、サービスへ反映し、また地域へ返す。その循環も地域連携営業です。
私が重視するKPIはRPI
私が訪問件数以上に重視しているのが、RPI(地域浸透率)です。
簡単に言えば、「その地域で、何人のケアマネジャーに自社のことを正しく理解してもらえているか」という考え方です。事業所名を知っているだけではなく、どんなサービスで、どんな人に向いていて、どんな特徴があるのかまで理解されている状態を見ます。
100件訪問してほとんど覚えてもらえていない状態より、50件の訪問でも正しく理解してくれる人が増えている方が、私は価値があると考えています。
訪問件数は目的ではない
訪問件数は必要です。ただし、それは活動量を見るための指標の一つです。
本当に大切なのは、地域のニーズを知ること、事業所内部の対応を整えること、そして地域で正しく理解されること。その結果として、問い合わせや利用につながっていく。
地域連携営業では「何件回ったか」だけではなく、「地域にどれだけ正しく伝わったか」を見るべきだと私は考えています。
介護・福祉・在宅医療の営業現場で見て、聞いて、考えてきたことを記録するシリーズです。現場で得た一次情報と経験をもとに、地域連携や営業の本質を考えます。